Sunday 19 August 2012

カナダの文化と言語


日本人は、箸を使って食事をします。
日本人は、風呂に浸かったり、温泉に入ったりします。
日本人は、ものごとに正確性や完成度の高さを求めます。

では、カナダ人はどうでしょう。

カナダの文化や慣習を述べることはとても難しいんです。なぜかというと、カナダ人はみな、どこか別の国から来た移民たちだからです。

カナダでは、多くの場合、文化は個性として捕らえられます。つまり、

ききは、箸を使って食事をします。
ききは、風呂に浸かったり、温泉に入ったりします。
ききは、ものごとに正確性や完成度の高さを求めます。

となるのです。

建国から約150年のカナダには、伝統や文化が多くありません。中南米やアフリカ、アジア、中東やヨーロッパ諸国から渡ってきた移民たちが持ち込んだ自国の伝統が、カナダで「個性」という名の「文化」となって、息づいています。

単一民族の国、日本に生まれ育った私には、この、「多民族/多文化国家」がなかなか理解できません。なにか嫌なことを経験するたびに、ついつい「カナダ(人)は!」と責めたくなるのです。

望めば、私だってカナダ国籍を持つカナダ人になれるのです。「カナダ人」は、「カナダ国籍を取得した移民」という意味になるのかもしれません。

言語だって同じことです。カナダ英語はどんな音なのでしょう。

日本でTOEICの勉強をしていたころ、リスニングテストに、それまでのアメリカ英語だけではなくカナダや豪州、英国の発音が導入されると聞き、恐れさえ感じました。カナダに来るまでは、カナダの英語はアメリカの英語に似ているのだろうと思っていました。

しかし、違うんです。

スペイン語を母国語とするカナダ人の中には、yetをジェットと発音する人もいます。フレンチカナディアンの中には、英語を話すときにフランス語同様にhを発音したいため、hate(嫌いです)をate(食べました)と言う人だっています。

これもまた、個性です。

そんな多民族/多文化国家のカナダでは、一か月続いたイスラム教の断食月・ラマダンがそろそろ終わろうとしています。

2 comments:

  1. その分個性が尊重されるお国柄なんですよね。人それぞれ違って当たり前という環境は自分を説明しないと理解されないけど、理解してもらえれば結構何でも受け入れられたりするのでは?日本の真逆だね。

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    1. 目立つ部分にタトゥーを入れたおじさんが普通にそしてまじめに仕事を頑張っていたり、スッピンのおばさんがカスタマーサービスデスクにいたりします。

      多民族国家ですから、見た目が違うのが当たり前な国なので、見た目でその人の仕事への取り組みかたは判断されないようです。(そうは言っても「カナダの社会人と、日本の社会人」で書いたように、T.P.Oに合った装いは求められますが。)

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