新しい町で生活を始めるとき、なにをもって「生活の定着度」を量りますか?
私の場合は、行動範囲が広がったときに、この町の住人らしくなったなと感じます。行く場所があるということは、新しい社会で自分の居場所を見つけたことを意味するから。
この町で生活を始めて一か月。バスでの移動方法を覚えました。
方法といっても、いたって簡単なもの。事前に購入したバス券を握りしめて、運転手がいる前のドアから乗り込む。そして、バス券を料金箱にスライドさせて入れ、支払いの証明として「乗り継ぎ券」を受け取るだけのこと。
「乗り継ぎ券」には90分後の時間が記され、その時間内であれば市内のバスは自由に乗降できます。運転手に見せる時間がその時間内であれば良いのだから、うまくいけば一回の支払いで、目的を果たして往復することだってできます。
スーパーマーケットなどで6枚綴りで売られるバス券は、乗車距離にかかわらず、通常のバスで2枚、急行で3枚を要します。1枚あたり1.30ドルなので1回の乗車は2.60ドルから。しかしこれが現金払いになると、話しは違うのです。
通常のバスで3.25ドル、急行で4.25ドルとお高くなります。うっかり手元の券を切らしてしまった人のために、市内数か所にあるバスターミナルには、発券機が設置されていて、片道券が2.85ドルで買えます。バス内で現金を扱いたくないという、強い姿勢の表れなのでしょう。
日本の定期券とは違い、この町のバスの定期券は一定料金で市内すべてのバスに乗ることができます。そのため、通勤や通学でバスを使う人たちはみな、月94ドル(急行は116ドル)の定期券を持って移動します。
つまり、現金払いでバスに乗る人を、ほとんど見かけません。
列車が走らないこの町では、バスが私を町の隅々まで運んでくれます。
私が乗るバスは、郊外と市内を結ぶ便。ベッドタウンからの乗客を乗せるため、バスは2台続きの大型車です。ジャバラの連結部でつながった2台は、バス停で3か所の乗降口を開きます。定期券を持つ乗客はどの入り口から入ってもよいのです。
運転手が乗る前車には、優先席が設けられています。ベンチを車体の壁に向かって折り畳むことで、車いすやベビーカーが乗せられる仕組みです。
車いすに乗った人や、ベビーカーを押した人が乗車してくるのが見えると、優先席に座っていた人たちは立ち上がり、ベンチを上げスペースを確保して、新しい乗客が席に着くのを見守ります。
社会の中に溢れるこんな思いやりに触れるとき、国や地域は違っても、人が住む場所はどこも同じようなものだなと感じさせられます。そして、この町でもやっていけるという自信が生まれます。その感覚はまるで、ふと立ち寄った外国の店で、思いがけずお気に入りの日本製のお菓子を見つけたときのものに似ています。懐かしさと居心地の良さ、そして安堵感。
この町の名前はオーリーンズ。
カナダの首都オタワ市から、バスで40分ほど東に走ったところにある町に、私は住んでいます。
ブログ開設おめでとう~
ReplyDeleteカナダ生活日記、楽しみにしてますよ!
meeちゃん、ありがとう!頑張って綴っていきます。よろしくお願いします。
Deleteききブログはじまり~ですね☆ 待っていました!
ReplyDelete色んな思いをブログで知れるので楽しみです♪
頑張って書いていきます!!
Delete文章だけで、その風景(場面)が頭の中で思い描く事ができるってすごいですね!読んでいて、本を読んでいるかのような感覚に最初なりましたよ!このブログもですが、“チップ”の記事も面白い(^-^)
Deleteこれからも、読ませていただきますね~♪
eriちゃん、そう言ってもらえると、とってもうれしい!!!ありがとう。「物書き」らしく、文字だけで書いてみようと思います。いけるところまではね。
Delete楽しんで読んでもらえるように、頑張ります!
これからチェックさせてもらうよ!
ReplyDeleteカナダに引越ししたのね☆
トロント来る際にはご一報を!
meg(め)
めちゃん!コメントをありがとう〜。ついに来ちゃいましたよ、カナダに!!
Deleteおこちゃまにも会いたいし、めちゃんにも会いたいので、トロントに行くときには絶対に連絡しますね〜。