Sunday 23 February 2014

冬の雨


2月も後半になり、暖かい日々が続いています。どれくらい暖かいかというと、氷点下5度!ふふふ。日没も一時間ほど遅くなりました。

オタワの冬は、暗くて長い。毎日の気温はマイナス20度、ときにマイナス40度。外に出た瞬間に、まつげについたわずかな水滴が氷に変わります。「寒い」のではなく「痛い」んです。そんな日々を過ごしてくると、マイナス5度は、ニットの帽子も手袋もなしで、少し軽いジャケットを羽織って外出できるくらい、本当に暖かく感じます。

気温が上がると、不思議な気象現象が起きます。それは、フリージングレインと呼ばれる氷の雨。

冬のオタワには、めったに雨が降りません。吸い込んだ外気で、肺がしもやけになりそうな冬。気温がマイナス15度くらいまで上がると雪が降ります。それ以上に上がると雨が降ります。でも、ただの雨ではないんです。フリージングレインが降るのです。

雨のような氷のようなフリージングレインは、たいてい夜にやってきます。そして、朝には、町を氷の世界に変えてしまいます。

歩道も車道も、まるでスケートリンクのようにツルッツル。ほんの100m歩くのだって、体中の筋肉を硬直させてそろりそろりと進みます。車道はもちろん大渋滞。フリージングレインが降った翌朝は、オタワに住むの人びとがなんだかスローモーションの映像のように動きます。

ゆっくり流れる時間。車窓から眺める木々は、クリスタルのオブジェのように優雅に輝きます。


雪の朝

歩道に張った氷


枝についた氷


Sunday 9 February 2014

カナダ人の定義


2014年2月7日、カナダ時間午前11:15、ソチオリンピックが始まりました。

私が務める会社は、カナダのオリンピックチームの公式スポンサーの一社です。オリンピック開幕に先駆けて、本社から広告用のイメージ写真が送られてきました。

社内では、それらのイメージを使って、メーラーOutlookの署名を各自で作ろうということになりました。使えるチャッチフレーズは、「いけ!チームカナダ」、「がんばれ、チームカナダ」、「おめでとう、チームカナダ」など、5種類あります。

私は「がんばれ、チームカナダ」を選びました。

オリンピック開幕日、「チームカナダ!カナダ人であることを誇りに思うよ!」と書かれた署名とともに、同僚から業務メールが届きました。返信文に追伸を付けて送り返しました。

「あー、残念!私はカナダ人じゃないから、このイメージ写真は署名に使えないなぁ。」

同じ同僚から返信が届きました。

「手遅れだよ!!笑 この極寒の冬に耐えてるってことで、すでに立派なカナダ人だよ!」

多文化国家のカナダでは、なにをもってカナダ人と名乗るのか、とても難しいところです。

日本人の定義が、日本人の親から生まれ、日本国籍を持ち、そして母国語が日本語である、というのなら、カナダ人の定義はもっと難しい。
それならば、寒いカナダの冬を耐え抜く人=カナダ人としたほうが、とても分かりやすいのかもしれません。

ソチオリンピックでは、Japanadaというニックネームで知られるカナダ生まれの日系二世 アツコ タナカ選手が、カナダのスキージャンパーとして戦います。

近所のスーパーのディスプレイ