2月も後半になり、暖かい日々が続いています。どれくらい暖かいかというと、氷点下5度!ふふふ。日没も一時間ほど遅くなりました。
オタワの冬は、暗くて長い。毎日の気温はマイナス20度、ときにマイナス40度。外に出た瞬間に、まつげについたわずかな水滴が氷に変わります。「寒い」のではなく「痛い」んです。そんな日々を過ごしてくると、マイナス5度は、ニットの帽子も手袋もなしで、少し軽いジャケットを羽織って外出できるくらい、本当に暖かく感じます。
気温が上がると、不思議な気象現象が起きます。それは、フリージングレインと呼ばれる氷の雨。
冬のオタワには、めったに雨が降りません。吸い込んだ外気で、肺がしもやけになりそうな冬。気温がマイナス15度くらいまで上がると雪が降ります。それ以上に上がると雨が降ります。でも、ただの雨ではないんです。フリージングレインが降るのです。
雨のような氷のようなフリージングレインは、たいてい夜にやってきます。そして、朝には、町を氷の世界に変えてしまいます。
歩道も車道も、まるでスケートリンクのようにツルッツル。ほんの100m歩くのだって、体中の筋肉を硬直させてそろりそろりと進みます。車道はもちろん大渋滞。フリージングレインが降った翌朝は、オタワに住むの人びとがなんだかスローモーションの映像のように動きます。
ゆっくり流れる時間。車窓から眺める木々は、クリスタルのオブジェのように優雅に輝きます。
雪の朝 |
歩道に張った氷 |
枝についた氷 |